前回に引き続き、今回もお洗濯の話題です。
以前からこのブログをご覧の方はご存知ですよね。
ちょきさんはクリーニング店で受付のパートをしております。
今日は、現役クリーニング店員のわたしが、ちょっとした豆知識をご紹介します。
ただの受付がなにをえらそーに!
なんて言わないでくださいね。
一応工場研修なんかもあって、全然なにも知らない人よりかは、ちょっとは知ってるんですよ。
ちょっとだけね!
粉末洗剤が冷たい水に溶けにくい、は嘘?
みなさまは粉末洗剤派ですか?
液体洗剤派ですか?
粉末洗剤の主成分はアルカリ剤、液体洗剤の主成分は界面活性剤です。
それぞれに得意とする分野は違いますが、洗浄力だけでいえば、アルカリ性の粉末洗剤に軍配が上がります。
しかも粉末洗剤は価格が安くてコスパも優秀!
にも関わらず、「粉末洗剤は冷たい水じゃ溶けない」と敬遠されがち。
「冬だけは液体洗剤で」という方も中にはおられるかも。
粉末洗剤は本当に冷たい水だと溶けにくいんでしょうか?
そりゃまあ、溶けにくいっちゃ溶けにくいかもしれませんが、溶けないわけではありません。
冬に水温が下がることなど、メーカーにとっては予想の範囲内。
粉末洗剤は、ちゃーんと冷たい水でも溶けるように作られています。
でも実際に溶け残ることってありますよね。
それはなぜか?
原因は攪拌不足です。
攪拌不足は洗濯物を入れすぎることによって起こります。
重量センサーがあっても、適量を見極めるのはなかなか難しいもの。
また、生地の面積が大きいもの、デニムなど分厚く硬い素材は、混ざりにくい傾向に。
そこで、どんな素材、どんな状況であっても、確実に洗剤を溶かす方法をお教えします。
粉末洗剤を冷たい水でもしっかり溶かす方法
以前にわたしが試したのが、ペットボトルに洗剤とお湯を入れてシャカシャカする方法です。
一見、効率的にも思えますが、実際にやってみるとかなり非効率でした。
なかなか溶けません!
そりゃそうでしょう。
専用のスプーン1杯の粉末洗剤を溶かすには、数十リットルもののお水が必要なんです。
いくらお湯とはいえども、たかだか500mlの水量で溶けるはずがないのです。
溶解量をはるかに超えていますから。
というわけで、やり方を変えました。
うちにある15年前の洗濯機で、ご説明します。(調べてみたらあまりにも古くてびっくりした)
最新の洗濯機やドラム式の洗濯機は使ったことがないので、よくわかりませんすいません。
- 蛇口を閉めたままの状態で、スタートボタンを押し洗濯物を測る
- 洗濯物をすべて出す
- 洗剤を投入して、蛇口を開ける
- 水を溜めて少し回してから、洗濯物を戻す
この方法であれば、真冬であっても確実に洗剤は溶けます。
今までに一度も、洗剤の溶け残りを経験したことはありません。
洗濯物を戻し入れる時の注意点
重たいものを下にし、ネットに入れた軽めの衣類を上に乗せます。
そうすれば、回転が速くなってしっかりきれいに洗えます。
粉末洗剤専用ネットってどうなの?
溶け残り防止策としてはありなんですが、運転中、徐々に溶かしていくよりも、しっかり溶かしてから洗いをはじめたほうが、洗浄力は高くなります。
粉末洗剤にはその粒ひとつひとつに役割があって、すべてが溶けたあとに、最高の洗浄力が発揮されます。
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お風呂の残り湯で洗浄力はダウン!
お風呂の残り湯を使えば、溶け残りの心配なし!なんて記述を見かけることもあります。
実はこれ、NGなんです。
衣類の気になる汚れといえば、皮脂や汗、ですよね。
人体から出る汚れは、一般的には酸性の汚れです。
酸性の汚れを落とすには、アルカリ性である粉末洗剤が最適とされています。
ところがお風呂の残り湯には、皮脂や汗がたっぷりと溶けだしているため、水質自体が酸性寄り。
お水そのものが中和されてしまい、洗浄力は落ちてしまいます。
※酸素系漂白剤の主成分は過炭酸ナトリウムです。過炭酸ナトリウムはアルカリ剤と併用することで威力を発揮します。粉末洗剤と併用しても、威力が落ちることはありませんのでご安心ください。
同じ理由で、油にまみれた衣類を他の衣類と一緒に洗うのはおすすめできません。
油汚れに強いのは、界面活性剤を主成分とする液体洗剤です。
液体洗剤であれば、お風呂の残り湯を使っても問題ないんですけどね。
お風呂の残り湯って皮脂や汗がたっぷり含まれているし、いくらすすぎはきれいなお水で、といっても、正直なとこ、かなり抵抗あります。
わたしは洗濯機に付いていたふろ水ポンプ、一度も使ったことがありません。
おしまいに
残り湯の話題に関しては、先日工場長と雑談する機会があって、その時にお聞きしました。
わたしはただの受付店員ですが、工場長は本物です。
友禅の染匠の元で染色技術を学んだエライ人です。
現在は工場長としてお仕事をしながら、シミ抜き職人としてもご活躍されています。
また面白い話が聞けましたら、追記していきますね。
お洗濯って意外に奥が深くて面白いです。
ちょきさん愛用のニュービーズ。
粉末なのに蛍光剤不使用です。
ネットだとお高いので、普通にスーパーで買いましょう。