うちの夫はなかなか物が捨てられない人。
わたしは決してミニマリストではないけど「使わない物」はどんどん処分したい人。
わが家は狭小住宅と言ってもいいほど狭いです。
保管場所が限られているのです。
洗えない捨てられない本革のジャンパー
そんな限られた収納スペースに、最低でも10年以上は一度も袖を通していない、ド派手なジャンパーがありました。
KAWASAKI 2000年記念のスタジアムジャンパー、というらしいです。
当時はそれなりに着ていたらしく、前身ごろはシミ(汚れ?)だらけだし、本革を使った袖の部分は黒ずんでしまいずいぶん薄汚れております。
これだけ革を使っていると、ドライクリーニングで取り扱うことはできません。
革専門店でのクリーニングが必要になります。
相場は6,000円~10,000円といったところ。(外注のため、社員割引きも効かない)
私「きちゃないし着てないし、捨ててもええ?」
夫「洗ったら着れるやろ」
私「クリーニング代1万円やで!」
夫「家で洗ったらええねん」
私「家で洗ったらボロボロになるで!」
夫「べつにええよ」
私「ボロボロになったら捨てるで!」
夫「ええよ」
ボロボロになるかどうかはわかりませんが・・。
このジャンパー、身ごろは毛80%、袖とポケットが牛革という、とても扱いずらい素材で出来ています。
これはもしかしてもしかすると、10年以上もタンスの肥やしだったジャンパーを処分できる、千載一遇のチャンスかもしれません。
革製品を丸洗いする前に
革製品を洗う際の一番の問題点は、色落ちや移染(濃色から淡色への色移り)です。
色落ちしやすいかどうかを見極めるのは、それほど難しいことではありません。
革の染色には2種類の方法があります。
染料で繊維を染め上げる、染料仕上げと、表面にコーティングをする顔料仕上げです。
染料仕上げは、革本来の風合いを残すことが可能で、なめらかな手触りが特徴です。
ただし、傷が付きやすく、水にも弱いため、色移りや色落ちには注意が必要。
以前に洗ったバッグは、このタイプでした。
顔料仕上げの場合は、しっかりとコーティングされているため、雨や水に強い性質を持ちます。
今回のジャンパーはこっちのタイプです。
多少は乱暴に取り扱っても大丈夫でしょう。
革製品の洗い方
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ここでも簡単に、流れだけは書いておきます。
洗濯機を使った丸洗い方法
❶ まずは予洗いから
気になる汚れの部分には、洗剤を直接つけて、ブラシやスポンジでこすります。
革製品の部分洗いにはシャンプーがおすすめ
❷ 洗濯機にエマールを溶かし入れ、手動で優しく押し洗いします
型崩れが気になる場合は、バスタオルで包んでから、ネットに入れてください。
すすぎは2回、脱水は1分以内で。
優しくない?
全力で回ってる?
おほほ、気のせいですよ。
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❸ 裏返しにして、風通しのいい場所に干します
中綿入りなので、びっくりするぐらい重くなりました。
丸一日干しても、内側は湿っています。
❹ 途中でレザーオイルを塗りこみます
ちょきさん御用達、革の達人。
高級レザーオイルに引けを取りません。
❺ 表に返し、暖房の効いた室内でさらに3日間干しました
❻ 乾いたらもう一度レザーオイルを塗りこみます
顔料ですでにコーティングされていますから、仕上げの防水スプレーは不要です。
まるでプロ級の仕上がり!?
ご覧ください。
あんなにも薄汚れてドロドロだったジャンパーが、まるで新品のように!
10年以上も放置した汚れが、まさかここまできれいになるなんて。
後日談
ボロボロになったら容赦なく捨てられる!
という思惑もありましたが、ちゃんと着てくれるのであれば、「使わない物」ではなくなるので、無理に捨てようなどとは考えません。
すぐさま写真を撮り、赴任先の夫に送ります。
私「きれいになったで」
夫「すごいな」
私「今からじゃもう無理やけど、次の冬は着てや」
夫「きれいなったからちょきにあげるわ。ご褒美や」
私「え?なんで?!いらんし!」
なんか全然、着る気がなさそうに見えるんですけど。
もしかしてわたし、騙された?
なんだか激しくモヤモヤします。
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ウールのコートやダウンだって丸洗いできますよ。